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涌井 隆; 若井 栄一; 直江 崇; 新宅 洋平*; Li, T.*; 村上 一也*; 鹿又 研一*; 粉川 広行; 羽賀 勝洋; 高田 弘; et al.
Journal of Nuclear Materials, 506, p.3 - 11, 2018/08
被引用回数:3 パーセンタイル:29.78(Materials Science, Multidisciplinary)J-PARCの核破砕中性子源の水銀ターゲット容器は、水銀容器と二重壁構造を持つ保護容器からなる薄肉(最小3mm)の多重容器構造で、TIG溶接により組み立てられる複雑な構造を持つ。容器の健全性を評価するためには、溶接部等の欠陥を正確に測定することが重要である。溶接部の非破壊検査方法として、放射線透過試験では検出が難しい欠陥形状等もあるので、超音波探傷試験の併用が有効である。JISで規定されている非破壊の超音波探傷試験方法では、厚さが6mm以上のものを対象としているため、薄肉構造の本容器の検査には適用できない。そこで、より有効な検査方法を開発するため、寸法が分かっている微小な欠陥を持つ試料に対して、様々な超音波探傷法による測定を試みた。その結果、最新のフェーズドアレイ法(FMC/TFM)では、計測値(約1.3mm)と実寸法(約1.2mm)とほぼ同じであり、これまで、欠陥測定が困難であった薄肉構造においても、正確な欠陥検知が可能であることが初めて分かった。
涌井 隆; 若井 栄一; 直江 崇; 粉川 広行; 羽賀 勝洋; 高田 弘
no journal, ,
J-PARCの核破砕中性子源の水銀ターゲット容器は、水銀容器と二重壁構造を持つ保護容器からなる薄肉(最小3mm)の三重容器構造で、TIG溶接により組み立てられる複雑な構造を持つ。新たな構造の容器に対して構造解析より評価した許容欠陥寸法は、応力が最も高い部分では0.4mmであるので、欠陥の寸法を正確に測定することが重要である。放射線透過試験で溶接欠陥を持つ三重構造の試験体を検査した場合、0.4mmの欠陥を検出できなかった。一方、溶接で歪んだ表面の影響を受けにくい非接触の水浸超音波探傷試験では、高周波のセンサを使用することによって、0.2mmまでの欠陥を検出できることが分かった。製作した容器の全ての溶接線(合計約17m)を検査した結果、検出された欠陥は6個のみで、その大きさは構造強度に影響を与えない微小なものであることを確認した。非破壊検査の計測精度を高める本研究開発によって、ターゲット容器の信頼性が向上した。